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令和5年度、卒業証書授与式を挙行!

3月22日(金)、ウグイスが谷を飛び立ち、大きな木に向かっていくが如く、まさに鶯遷の時を迎えた今日この佳き日に、御来賓の皆様の御臨席を賜り、保護者の皆様と在校生が見守る中、令和5年度の卒業証書授与式を挙行できますことは、誠に喜ばしい限りであり、皆様に深く感謝申し上げます。

ただ今、呼名されました本校創立116年目の卒業生34名の皆さん、卒業おめでとうございます。私は、卒業生の皆さんとは2年間をともに過ごしてきました。一昨年の4月に、初めて顔を合わせた時の皆さんは、6年生の先輩の活躍に甘える存在で、高学年としてどう振る舞えばよいかまだ迷っているという印象を受けました。

転機となったのは、昨年3月に行われた、伝統ある「ながくらの鼓笛」の引き継ぎだったように思います。先輩から「鼓笛は、自分たちが心を一つにして団結していることを表現するものであり、その精神こそ長倉小学校の伝統である」という教えを受け継ぎました。メジャーバトンが手渡された瞬間、皆さんは背筋をピンと伸ばし、美しい立ち姿勢となりました。最高学年となるという自覚と責任が芽生えた瞬間だったのではないでしょうか。

そして、皆さんらしさが発揮され、素晴らしいと感じた出来事が2つあります。1つは「6年1組いじめ防止対策基本法」と「長倉小学校タブレット端末活用のルール」を作成したことです。自分だけでなく友達も被害に遭わないで欲しいという願いをもち、自分たちのきまりは自分たちで決める、そしてみんなで守っていく!という自治の精神を見事に行動に表していきました。


もう1つは地域貢献活動。昨年9月の台風13号による大雨災害に対して、代表委員が「今回はそんなに災害に遭わなかったけど、いつ自分が災害に遭うかわからない。だから今回は私たちで何かお手伝いできないか?今の私たちにできることは?」という問いを見出し、全校生や保護者に思いを伝え、そして街頭に出て広く募金を集め、被災した小学校とボランティア活動の皆さんに、応援フラッグやメッセージカードとともにお届けし、善行賞をいただきました。

この2つの取組は、小学生であっても、地域の一員であり、地域のために活躍できるんだという社会参画の意思を見事に表明した価値あるものと感じました。この気高い心意気は、長倉小学校の新たな伝統となって、ながくらの鼓笛とともに後輩たちに受け継がれていくことでしょう。

こうした活躍を見せてきた皆さんには、2つの強みがあると感じています。1つは「行動力」。自ら考えたことを実行に移していく力です。もう1つは「対話力」。会話を通じて思いを擦り合わせていく力です。中学校生活でもこの2つの強みを生かして、その時々で最善のパフォーマンスを表現し続けていくことを期待します。そして、自分の得意なことや個性を見出し、学級通信の名前の通り「ファンタスティック」な人生を探究し続けていくことを願っています。

保護者の皆様に申し上げます。本日は誠におめでとうございます。お子様は、この混沌とした予測困難な時代を切り開く希望の存在として、将来必ず社会で活躍していくものと信じております。引き続き、ご家庭・地域・学校が一体となって子どもたちを見守り、成長を支えて参りましょう。

また、これまで6年生のよさを引き出し、学びをエスコートしてきた担任の先生はじめ本校教職員にも改めて感謝いたします。私たち教職員も、子どもたちの輝かしい未来に、今後も、精一杯のエールを送り続けて参りましょう。

結びに、卒業生34名の前途に幸多かれ!とお祈りし、式辞といたします。