いわき市立勿来第二中学校
Nakoso second J.H.S.
式辞
陽ざしも徐々に明るさを増し、春の訪れが感じられる今日のよき日に、第六十三回卒業証書授与式を挙行することができますことを心から感謝申し上げます。
また、ご多用中にもかかわらず、いわき市議会議員上壁充(かみかべ みつる)様を始め、多数のご来賓の皆様、保護者の皆様のご臨席を賜り、卒業生とともに心より厚く御礼申し上げます。
さて、卒業生の皆さん、あらためてご卒業、おめでとうございます。
先ほど、卒業生一人一人に卒業証書を授与いたしました。ただせっかく授与された卒業証書を見る時間はなかったことと思います。
そこで、卒業生の皆さん、今、授与された卒業証書をそっと開いてみてください。
この卒業証書は、皆さんが勿来二中で過ごした思い出や成長の跡が、凝縮されている証です。
卒業証書と書かれた左側にはあなたの名前が書かれています。あなたの名前には保護者の方が生まれてきたあなたに感激し「この子にこうなってほしい」という願いが込められています。
そして、生年月日。この日から、あなたは、この世に生を受け、この十五年間、たくましく成長してきたのです。
証書の真中には大きな文字で「中学校の全課程を修了したことを証する」と記載されています。今まさに9年間の義務教育を終えることを意味しています。
そして平成三〇年三月十三日と記載されている本日、まさに皆さんは、思い出が詰まった勿来二中を巣立つ日なのです。
この卒業証書には、今述べたこと、そして思い出や成長の跡がいっぱい詰まっています。ぜひ、自宅に帰ってから、保護者の方に、卒業証書を見せてあげて下さい。その際に一言だけでいいです。
「今まで本当にありがとうございました」と感謝の言葉を伝えてください。この卒業式は卒業生の皆さん一人一人が主役ですが、保護者の方にとっても、今まで皆さんを育ててきた十五年間の節目の日でもあるのですから。
(それでは卒業証書を閉じてください)
私は皆さんと出会い、一年が経とうとしています。わずか一年ではありますが、日々、皆さんが頑張っていた様子や成長していく姿を身近に感じることができた、かけがえのない思い出深い一年でした。
四月の修学旅行では本当に楽しそうに過ごす様子を見て「この生徒達が笑顔で過ごせるように私も頑張らなければ」と痛感したことを思い出します。また、体育祭や合唱コンクール、波の穂祭での皆さんの活躍には、目を見張るものがありました。
特に合唱コンクールでは聴いている人の心を揺さぶる歌声に、とても感動したのは私だけではありませんでした。
今まで5151人の先輩方が残してきた本校の伝統に皆さんがまた新たな輝かしい一ページを加えていただいた事に感謝いたします。
このような素晴らしい卒業生の皆さんの門出にあたり、二つのことをはなむけの言葉として送りたいと思います。二つとも私が常々皆さんに話してきたことです。
一つ目は、「今を生きる」「今を精一杯生きる」という言葉です。
過去の事を反省をすることや未来にすべきことを考えることは必要です。しかし、一番大切なことは、「今を精一杯生きる」ということです。
平昌オリンピックのスピードスケートで金メダルを獲得した小平奈緒選手はインドのガンジーの言葉「明日死ぬかのように今を生きよ」を座右の銘にしています。
この言葉は「今を精一杯生きよ」ということです。あなたのこれからの人生の中で、時には自分を戒め、時には自分を褒めながら、一日一日を精一杯生きてほしいのです。
もう一つは「人事を尽くして天命を待つ」。これからの人生の中で楽しいことや嬉しいことばかりではありません。時に、辛い時や岐路に立たされる場面が少なからず、あります。
その時に結果を恐れるのではなく、自分を信じて前を向いて突き進んでください。
私から皆さんに送る最後のメッセージです。ぜひ、この二つの言葉を胸に秘めて、あなたが進むべき新しい道を切り開いていってください。
さて、これまで陰になり日向になり、深い愛情を持って育ててこられた、ご家族の皆様、お子さん達は、様々な困難を乗り越えて、こんなに立派に成長しました。今後ともより一層の温かい見守りとお力添えをお願いいたします。
また、保護者の皆様から本校の教育活動に寄せられました、ご理解とご協力に対して、教職員を代表して厚く御礼申し上げます。
結びに、卒業生の皆さんが、本校のスローガンにある「夢と自信」を常に持って、成長していくことを祈念申し上げ、式辞といたします。
平成三〇年三月十三日
いわき市立勿来第二中学校長 若松 真一
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