横長の3代目校舎 ~創立146周年特集③~
炭鉱の隆盛による児童増に伴い、大正6年(1917年)から、校地の拡張と校舎の増築・改築が進んでいきました。旧校門も、この流れの中で、大正7年(1918年)12月1日に地域のみなさんの寄付で建てられたようです。大正初期までは、カヤの木の校門だったと言うことで、この花崗岩の校門は、地域の願いがこもっている大切な門標であると言えるでしょう。
次の写真は、昭和3年(1928年)に校舎を増築し、「川部村立川部尋常高等小学校」が開校したときの写真です。この頃は、南向きの東西に長い校舎が2棟並んでいました。
当時の小学校は、「初等科」4年、「高等科」4年に分かれていましたが、川部には開校以来「初等科」しかありませんでした。「高等科」に進みたい場合は、「窪田尋常高等小学校(現在の勿来一小)」に行くしかありませんでした。(この写真には「開校式記念」とありますが、高等科は、大正9年から置かれていました。)
写真の校長は 第18代校長 伊東芳松先生(大正14年~昭和7年)です。
昭和14年(1939年)には、児童数が1,000人を超え、昭和16年(1941年)2階建ての第3校舎が建てられました。この長い校舎が3列(南から第1校舎・第2校舎・第3校舎)並んでいた3代目校舎は、なかなかの眺めだったと思われます。
しかし、この当時の校舎の建設費は、川部村だけではまかないきれず、学校林を売却したり、炭鉱からの寄付を充てたりして、たいへん苦労して建てたと記録に残っています。(建設費用の30%程度は学校林や炭鉱からの寄付だったようです。)
※学校林・・・学校建設には多額の費用がかかることから、学校の基本財産として山林を保有していました。旧小川村や旧山玉村などが保有していた山林の寄付によって、山林の樹木を使って校舎を建てるだけでなく、樹木を売ってその売却益を学校建設の基金に充てたりしていました。
この写真は、昭和30年頃の第1校舎の写真です。正面玄関の右側の木は、キンモクセイだと思われます。「創立100周年記念誌」によると、校地内にはサクラ(ソメイヨシノ)のほかにも鈴掛の木(プラタナス)やセンダンの木、アカマツ、クロマツなどいろいろな樹木があったようですが、今も残っている古い木といえばサクラ(ソメイヨシノ)とキンモクセイでしょう。キンモクセイは、今も玄関前で元気に枝を伸ばしています。(昨年は剪定した後で元気がありませんでしたが、今年は樹勢を取り戻しています。)
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