こんなことがありました

やまなし1組、「しそ巻き」の探究へ!

2月20(火)、3~6年生の子どもたちが学んでいるやまなし1組で総合的な学習の時間(以下、「総学」)の授業研究を行いました。いつもは各学年と交流する中で総学に取り組んでいますが、今日はまず、それぞれの学年で体験して学んできたエピソードを紹介し合うところからスタート。 

「温泉」や「炭鉱」をキーワードに、どこに行ってどんなことを学習してきたか発表し合いました。楽しそうに語る姿が印象的でしたね。

そして、担任の先生は多くを語らず、本時のめあてを「自分の調べたテーマを決めよう」と設定していきました。この段階では子どもたちの反応は「えっ!なにすんの?」という感じ。

 「それじゃ、まず皆さんにはこれを味わっていただきましょう!」ということで、小さなおにぎりが登場!「ん?中に何か入ってるぞ!」と言いながらいざ実食。「ん?なんだこれ?この味、この歯ごたえ...なんか美味しいぞ!」とこの表情でございます。

「中に入っている具材はな~んだ?」「沢庵!」「違いま~す」「海苔巻き!」「海苔ではない!」「あれれ?」「じつは、皆さんも昨年試食したことがある『しそ巻き』が入っているんだよ。どう?」「あ~、思い出した!」「それでは改めてしそ巻きだけを食べてみる?」ということで、しそ巻きのみ再度ご試食...。

すると「あっ、思い出した!」、そして「しそ巻きだけだとなんかなぁ...」と、微妙な表情を見せてあれこれ感想が出てきて、そこで先生から「では、今の思いをタブレットに書いてお知らせください」とのご指示が。

タブレットの扱いに慣れている子どもたち、それはそれはものすごい勢いで率直な感想を書き込み、先生へ送信していきました。

「それでは発表、ご説明を!」ということで指名されたこちらの児童。率直に「おにぎりがおいしい」とのこと。それだけにとどまらず2回目の「おいしい」が。よっぽど美味しかったのか重ねて「おいしーい」となって、味変を感じたようで「からい」が登場し、ラストは「あまい」で締めくくっていました。お口の中でのドラマチックな出来事を見事に表現していて、一同ほっこりでございました。

満を持して登場した先輩は、同じくお口の中での出来事を1枚のシートに端的に表現。先ほど発表した彼も「そういうことなんだっけ!」と満足気。でも辛さについては「そこが違うんだよな」という気づきを率直に発表してくれました。比較→気づきの思考、お見事ですね。

全員が発表し終えたところで先生が「では皆さんの感想をまとめてみましょうか」ということで、子どもたちとの対話で感想をカテゴリー化していきました。味のこと、食感のこと、材料のことにまとめることができたようですね。

そして今日の学習を踏まえて改めて本時のめあてに戻って、「皆さんはどんなことを調べてみたくなりましたか?」との発問。子どもたちは頭の中を整理して、それぞれ思い浮かんだことをワークシートに記入していきました。

子どもたちの提案を受けて、これからやまなし1組の「しそ巻き探究」が始まっていくようです。どんな展開を見せていくのか、わくわくしてきます。

こちらは支援員さんの活躍の様子。「伝えたいことを書きたい!」という願いを持つ児童に対して、できることは尊重し、困りごとを丁寧に聞き取って、最小限のサポートを提案して温かく見守り、出来た!出来るようになった!を実感させてくださいました。 支援員さんのおかげで子どもたちは安心して学習することができています。感謝!

放課後の授業カンファレンスでは「しそ巻きの魅力」がテーマとなりました。じつは、かつてこの地域にあった炭鉱の地下の坑道は高温多湿で過酷な環境だったとのこと。汗をかいたら塩分補給を!ということで、このしそ巻きが注目されていたようなのです。担任の先生は、「各学年で学習してきた石炭や温泉とこのしそ巻きを結びつけて、この地域のことや食事の大切さをさらに深く学習させたいと考えたんですよ。でも、子どもたちは食感やいろいろな味が楽しめる秘訣を探ろうという意見が多くて、炭鉱とのかかわりまでたどり着けるか微妙な状況ですね...」とのお話、面白いですね。これから子どもたちと対話してどんな学びが創出されていくか楽しみでございます。