川部小に込めた地域の願い

1. 虫眼鏡新校舎落成

投稿日時: 2018/10/01 e68-投稿管理者

 1983年(昭和58年)、校舎の全面改築が終了し、現在の校舎が完成しました。夜間照明灯も完成し、近代的な設備に生まれ変わりました。

 1973年(昭和48年)には、創立100周年を記念して盛大に記念式典が催されました。記念碑には、当時の福島県知事木村守江氏による「温故知新」の文字が刻まれています。

 そして、1990年(平成2年)にプールが完成し、現在の川部小学校の姿ができあがりました。

 145年前の1873年(明治6年)7月3日に、前年(明治5年)の明治政府による学制発布を受けて、当時の小川村・山玉村・瀬戸村・三沢村・大平村の子どもたちが通う小学校として、「温(おん)故(こ)小学校」が創設されました。当時の沼部村は富津村・長子村とともに「脩文小学校」を創立しました。
 調べてみると、創立当時、他の勿来地区の小学校もそれぞれ地名ではない名前を学校名としているのです。なぜ地名ではなく「温(おん)故(こ)」だったのでしょう。

 

 創立100周年記念碑に刻まれている「温(おん)故(こ)知(ち)新(しん)」、今から2500年ほど前に中国で活躍した孔子の言葉を集めた『論語』に出てくる有名な言葉ですが、読み下し文は、「故きを温(たず)ねて新しきを知る」です。

 「温」を「温(たず)ねて」と読ませることに違和感を感じている方はいないでしょうか。

 「古くから伝わる教えを大切にして、新しい知識や見解を得ることが大切である。」ということを孔子は弟子に伝えたのだと言われています。もともと「温」には「復習する」「研究する」と言う意味があるそうです。古い知識や過去の経験も、復習したり研究し直したりすると新しい発見があり、現在の問題の解決の糸口もそこに見つかることもあるのではないでしょうか。
 明治6年と言えば、新しい明治の世の中が始まって6年しかたっていません。新しいことばかりでなく、「日本独自のよいところも大切にしたい。」という当時の川部の皆さんの思いが伝わってくる名前ではないかと思います。

 というわけで、川部小学校の歴史をさかのぼってみましょう。