こんなことがありました。

街中で車いす体験~共生社会をめざして

 6月に入り中体連モードとなりましたが、文化的な活動も並行して行われています。6月6日(日)には社会との関わりを通してたくさんのことを学習しようと活動するキャリア教育推進委員会のメンバーたちが、いわきの街中を車いすで移動する体験を行いました。これはオリパラ教育の推進校となっている平三中が、車いすバスケットボールやボッチャの体験を通してパラスポーツの理解を進める一方で、「誰も取り残さない」共生社会の実現を目指して自分たちに何ができるかを考える一環として行ったものです。

 

 出発地はいわき駅前。普段なら15分程度で歩いて行けるいわき芸術文化交流館アリオスさんを目指して9時35分に出発しました。操作しやすい高さにあるエレベーターのボタンや目が不自由な方のための点字ブロックなど、普段は気づかない配慮を感じながら進んでいきます。

 しかし国道6号を横断するために試練が待ち受けていました。スロープはあるものの、下り坂ではかなりの恐怖感を感じたようです。また行きたい出口には階段しかないため遠回りをしたり、長く続く上り坂ではどんなに力を入れても前に進めなかったり…そんな時、友人のさりげない補助がどれだけありがたいかを体感しました。

 日頃は何も思わないわずかな段差や道路の亀裂によって、何度も車いすが止まってしまいます。余裕で渡っていた信号も、青信号が点滅すると焦ってしまうこともわかりました。

 その他にも、車いすで歩いてみると様々なことに気づきました。投函しやすいような高さに設定された郵便ポスト、使おうと思っても手が届かない公衆電話…授業で習ったユニバーサルデザインの必要性を実感したようです。

 そしてようやくゴール地点のアリオスに到着!時計を見ると10時25分。なんと普段の3倍以上の時間がかかってしまいました。しかも車輪を回し続けた腕はパンパンです。

 その後はいわき芸術文化交流館アリオスさんのご厚意で、市の施設ではインクルーシブな社会の実現に向けてどのような取り組みがなされているかお話しを聞いたり、実際にその配慮を体験させていただきました。

 今回の体験を含め、3年越しで取り組んできた共生社会実現に向けた平三中の取り組みは、「... For What?」というテレビ番組にまとめて6月29日(火)に郡山市で実施されるNHK杯全国中学校放送コンテスト福島県大会に出品する予定です。まだまだ追加の撮影や取材はありますが、文化面でも平三中生の活躍を期待しています!