こんなことがありました。

「話を聴く」ということ

 放送朝会の講話の当番は1学年でした。

 講話を担当したのは、特別支援学級(難聴学級)の担任です。今年度から本校に新設された特別支援学級です。1年生普通学級との交流が多く、子どもたちは普段から仲良く学校生活を送っていますが、専門的な立場からのお話はとても貴重です。

 これからも互いを尊重し、理解し合って、充実した学校生活を送ってほしいと思います。

 

【講話全文】

 昨年度まで、私は聴覚支援学校で難聴の子どもたちに言葉の指導や教科指導をしていました。難聴の子どもは生まれた時から耳が聞こえにくいため、耳から情報を得ることが困難です。そのため、言葉を習得するのに大変な時間と労力を要します。聞こえの程度によっては、自分の声を聞くことも難しいため、正しい発音で話すこともままならない子もいます。彼らは、補聴器で補った聴力だけでは情報を得られない場合、見える言葉である手話や口の形を見て相手の話を理解します。必然的に話し手の顔を見ながら話を聴くことになります。

 「話し手が何を伝えようとしているのか」聞き逃さないように真剣に話を聴く子どもたちの姿から、私は「話を聴く」ということは、耳で聞く力だけではなく、「話し手が伝えたいことを知ろう!受け取ろう!」と心を傾けて聴くことが大切だということを教わりました。

 私たちは、毎日いろいろな人の話を聞きながら生活しています。みなさんは相手の話に心を傾けて聴いているでしょうか? 興味がない、自分には関係ない・・・と聞き流してはいませんか?

 みなさんは、心身ともに大人になろうとしている時期のまっただ中です。いろいろな人の話に心を傾けて聴いてみてください。そして、自分の未来のために、たくさんのことを吸収してほしいと思います。