高久小学校 日記

デフリンピック日本代表選手がやってきた!

 5校時に、デフリンピック(聴覚障がい者のオリンピック)マラソン日本代表選手の、山田 真人(まさひと)様が来校され、4年生に授業を行ってくださいました。

 初めに、フルマラソン2時間32分というタイムを持つ山田さんの速さを体感しようと、子どもたちと校庭2周対決を行いました!

 風も強く、ものすごい寒さの中、給食をセーブするほど本気モードの子どもたちは、気合十分でした。

 山田さんの軽快な走り。スピード化が進む長距離界の主流となっているミッドフット走法・フォアフット走法を、子どもたちは「跳んでいるよう」と表現していました。

 ゴールで、山田さんとハイタッチ!

 教室に戻り、山田さんの半生について、お話を伺いました。

 加藤 純子 様が、手話通訳を務めてくださいまた。

 北海道ご出身の山田さんは、1歳の頃に、40℃を超える高熱が続き、受けた注射が原因で聴力を失われたそうです。

 陸上競技(マラソン)を始めたのは33歳のときだそうですが、何と、そのわずか2年後に、2度目のマラソンで2時間49分を出すという快挙には、驚きました!

 その1年後には、デフリンピック日本代表に選出され、ローマ大会で4位になり、翌年には、別府大分毎日マラソンで、2時間32分をたたき出します。マラソンを初めてわずか4年での快挙! 恐るべき身体能力と精神力です!

 聴こえないことで生じる「情報弱者」としての不便や、私たちにできることを教えていただきました。子供たちからも、たくさんの質問が出ました。

 2012年には、オーストラリアのタウンズビルマラソンで総合優勝(障がい者の部ではありません)を果たします。

 

 翌日の現地スポーツ紙の1面を飾られました。女子も日本人が優勝したことで「Japanese Double」と、大きく報じられました。

 日本代表のユニフォームを着させてもらいました。

 かっこいい~!!

 みんなで記念写真も、「ありがとう」の手話で!

 授業が終わると、「サインください!」の長い列が。サインをもらった子供たちは、嬉しそうにしながら、ちゃんと手話で「ありがとうございました」を伝えていました。

 この授業を実現に導いてくださったのが、12月の「持久走記録会」でもお世話になった「光RUNいわき」の 大越 様です。本当にありがとうございました。

 当初は「手話教室」として手話講師を招聘する予定でしたが、1時間だけ手話を学ぶこと以上に、聴覚に障がいをお持ちのトップアスリート山田様にお会いしてお話を伺うことの方が、遙かに「価値ある体験」になると考え、お願いしました。

 子どもたちの「どうしたら速く走れますか?」という質問や、授業後にサインを求め殺到する姿には、障害のある方を「かわいそうな人」などと見る偏見はなく、本当に大切な「ノーマライゼーション」の考え方を学ぶことができたと感じています。本当に大切なのは、「知りたい・伝えたい」と思うこと、「分かり合おう」とすること、その先に手話の必要性があるのだと感じました。同じ人間として、困っている人がいたら助け合う、そんな当たり前のことなんだと。

 山田さん、通訳の加藤さん、本事業を実現させてくれた大越さん、素晴らしい時間を本当にありがとうございました。