アクティブラーニング(主体的・対話的で深い学び)
4年生の算数の授業をふとのぞいてみると、とても活発な授業、いわゆる「アクティブ・ラーニング」が行われていました。アクティブ・ラーニングとは、子供が「主体的」に学習に取り組み、多様な考えを持ち寄りながら「対話」(学び合い)を通して、学びを「深めて」いく学習のことをいいます。活動しながら学ぶということではなく、アクティブであるべきは頭の中です。
「学び合い」は、本校の今年度の研究テーマでもありますので、今日の授業をもとに、その一端をご紹介します。
今日の授業のねらいは、「5400×320の計算の仕方を考えよう」でした。「答えを求めよう」ではありません。「計算の仕方を考えよう」がねらいであり、よりクリアな求め方を工夫することが大切です。
3つの考え方(計算の仕方)が出されました。
Aさんは、これまでのかけ算の基本通り「1の位をそろえて筆算で計算」しました。
Bさんは、「末尾の0の前で区切って計算し、答えに除いた数の0をつける」という方法でした。
Cさんは、「0を取って54☓32の計算をし、答えに取った数の0をつける」という方法でした。
自分のやり方で答えを導いた子供たちが集まって、どの方法が「CLEAR」(クリア)か話し合っています。
「CLEAR」(クリア)は、本校が今年度から取り入れている学び合いの観点です。私が15年ほど前に勤務していた某学校で、算数部の仲間と考えた観点ですが、「すっきり・簡単・いつでも使える」等の算数的価値をもとに話し合いを進めることで、数学的思考力を育成するのにとても役立っています。話し合いの中で、「この2つは似ているね」とか、「こっちの方が簡単だよね」「この方が間違いが少なくていいんじゃない」など、それぞれの方法の良さや共通点、違いなどに気づいていきます。
練習問題を解いた子供たちが集まって話し合う中で、「0が一つ少なかった!」と気づいた子のおかげで、「0を除いて計算して、あとからつける方が簡単」「48☓25のように最後が0になる場合、間違いやすいから0を取って計算して最後に付けた方が、間違いが少ない」などに気づいていきました。
単に答えを求めるだけなら、電卓やスマートフォンの方が正確に素早く計算してくれます。大切なのは、より効率的に答えを導き出す「考え方」を知ることです。こうした学びが、AIの進化に負けない子供たちの「考える力」を育てていきます。
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