いわき市立勿来第二中学校
Nakoso second J.H.S.
本日20日(水)の清掃時間中に、生徒や先生に予告なしの避難訓練を実施しました。例年、年2回の定期的な避難訓練(地震・津波、火災)は実施しています。
しかし、地震、津波、火災等は突然起きるものです。昨今のニュースで福島県沖で大きな地震の起こる確率が50%と高い確率であることも考慮し、いつ起こるかわからない災害への意識を高くもってほしいという目的から実施しました。
3学期の始業式の時に生徒の皆さんや先生方には、いずれ「予告なしの避難訓練」を実施する旨は説明しました。より現実的な訓練にするために、5校時が終了し清掃時間に生徒も先生も清掃している中で、放送を入れたので一人ひとりの対応力が求められる訓練となりました。
今回は「校舎東側一階から出火」。詳細を確認するまでの間はその場で待機。20秒程度間をおいて「風による延焼の可能性があるため、体育館に避難せよ」という設定で実施しました。
突発的な訓練にどう対応するかを確認しました。生徒や先生が一階から三階そして校庭などに散らばった状態での訓練を実施しました。生徒は、近くに教師がいる場合にはその指示に従い避難し、近くに教師がいない場合には、生徒自らの判断で避難するというシチュエーションの設定でしたが、多くの生徒は自らの判断で避難できたことはとても頼もしいと感じました。
今回の結果から言えることは、定期的な避難訓練ではないからこそ、予告なしの訓練がより現実的であり、生徒や先生のとっさの判断力が必要であり、危機回避能力や危機対応能力が問われると感じます。その点で生徒も先生も、安全に且つ迅速に避難し、臨機応変に対応していたと思います。
実際、東日本大震災の時、私は地元住民など約二千人が久之浜中に避難してきた時には、マニュアル通りにはいかないことばかりでした。その時に大切なのは「情報を的確に捉え、柔軟に対応する」ことと痛感させられました。ですから生徒にも自分の命を自分で守る「自助」、そして友人、家族、地域住民で助け合う「共助」が必要なのです。
地震や津波、火災等は、生徒が学校にいる時に起こるとは限りません。ご家庭にいる時や外出している時「もしものことがあったら」について、家族でも話し合っておくことが必要と思います。
【校舎から避難する生徒の様子】
【教師からの指示がなくてもハンカチ等で口を押さえて避難しています】
【体育館に昇る階段を小走りで移動。話をしたりふざける生徒は皆無でした。素晴らしい!】
【指示をしなくても各クラスで点呼を行い、人数確認をする生徒達】
【今回設定した状況から体育館に避難した理由を生徒に尋ねました】
【風の方向から、風上である体育館側に避難することが火災や煙に巻かれないことを生徒達は理解していました。】
また、帰りの学活で、予告なし避難訓練の感想を記入してくれました。【一部抜粋】
・予告なしで頭がパニックになったが、いつもは予告ありの避難訓練ですが、パニックにならないことが大切と思いました。
・理科室のストーブを運んでいたので少し焦ったが、すぐに冷静になり正しい判断ができた。
・風向きが海側と放送があり、逆側に避難すればよいとわかった授業でした。
・予告なしで焦ったけど、本当の災害があった時の対応を考えることができたので、今回のような訓練はすごく良いと思う。
・「お・か・し・も」の大切さを改めて知りました。
お・・・押さない
か・・・駆けない
し・・・しゃべらない
も・・・戻らない
・放送で最初に「これは訓練です」と2回繰り返したそうですが、よく聞いていなかったので、本当の火事かと焦った。これからは放送をしっかり聞こうと思った。
・もし本当の火災であれば、焦りが命取りになるので落ち着くことが大切だと思う。
・新入生が入学した来年度も予告なしで訓練をしてほしい。
総評)生徒の殆どの感想が上記の抜粋に集約されています。予告なしで焦った人が多かったようです。でも実際に災害等が起きた時は、電気系統が使えず放送ができなかったり、煙が回るスピードが速かったり、また地震で降りようとした階段が崩落していたりと想定外のことが起きる可能性があります。そんな時にでも、できる限りパニックにならずに対応できるようにすることが大切だと思います。
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