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NEW 白水小学校の歴史⑥ 少人数のメリットとデメリット

 年号が平成に変わると、独立した昭和28年に建設された校舎は40年以上経っており、老朽化も進んでいたために、多くの地域の方々のご尽力もあって、新校舎が建設されました。平成5年に完成した現在の校舎は、いわき市内では珍しい木造の校舎です。現在も、本校を訪れる多くの方々が、木材がたくさん使われている校舎に驚きの声を上げられます。

 

 

 新校舎完成を翌年に控えた平成4年度からは、児童数の減少により、複数学年が同じ教室で学ぶ複式学級が始まります。以後も児童数は減少を続け、平成6年度からは1・2年生、3・4年生、5.6年生の3学級(完全複式)となりました。平成18年度には児童数が一桁の9名となり、本年度は全校生が3名にまで減ってしまいました。

 児童数が少ないことによるデメリットは確かにあります。授業では児童同士の学び合いが成立しにくいことや、いろいろな子どもによる多様な意見に触れる機会が少ないことなどです。

 現在、白水小学校では、そうしたデメリット面をカバーすべく、近隣の小学校との合同授業や、全校生と全職員がいっしょに道徳の問題について意見交換をする全校道徳等を実施しています。

 一方で、児童数が少ないことは、様々な面でのメリットもあります。

 一つ目は、一人一人の児童の活躍の場が多いことです。毎日の授業では、必ず何度も発言をしたり発表や説明をしたりすることが普通です。先生の発問には必ず答えなければならないという意識で授業に臨んでいますから、授業中は集中して話を聞いています。

 また、個に応じた指導が徹底して行われます。一人一人に目が行き届く環境は、その子のできなさやわからなさに寄り添い、その子に応じた指導方法を工夫して、その子が分かるようになるまで、できるようになるまで繰り返し指導をしています。

 学校行事等では、どの子も大きな役割を担います。人数が少ない中で、自分がやらなければならないという自覚をもって子どもたちは日々生活をしています。入学した時から、そうした環境の中で育つ子どもたちは、「自分がやらなければならない。」と思っているようです。

 人数が少ないために、宿泊学習や方部音楽祭など、他校では学年を指定して行うような行事にも全校生で参加します。6年生ともなると、これまでの経験を生かしてリーダーシップを発揮したり、練習をリードしたりするなど、成長した姿を見せてくれるようになります。