ものづくりにはなぜ時間がかかるのか。

技術・家庭科(技術分野)の1年生では、桐の集成材を使った木製品の制作を行っています。

現在の工程は終盤にさしかかり、くずのは祭では未完成で展示されていた作品も最後まで丁寧に仕上げています。今日はやすりがけを重点に行いました。やすりがけひとつで手触りが変わり、時間をかけて丹念に磨くことでモノに対する愛着が生まれます。

技術分野のものづくりは、つくる技術を学ぶだけでなく、ものを大切にする気持ち、また作りたくなる気持ちを育てています。

繊維方向に沿って、割れないように力を加減して荒削りをしています。作品背面の黒い部分は焼き色をつけたところです。これからさらに焼き色をつけていきます。

 

手に触れる部分はもちろん、裏面の見えないところにもやすりを入れています。鉄製のやすり、紙やすり等を使い分けて、友達と比べながら自分の手の感触でやすりがけの終わりを決めていきます。「お~、これ、いい肌触り~。」

先生はアドバイスしますが、決めるのは自分です。それが納得できる作品に繋がります。

 

木の表情を生かすため、あえてニスは塗らず、米ぬかを入れた袋で力を入れて表面をこすります。

「これ、あんまり変わんないね。」

そう、力を入れて何度もこすることが大切なのです。何度もこするうちに表面の見えない荒さがとれて、米ぬかの油分が木に光沢を与えます。木の肌触りを残しつつ、ちょっとした撥水加工にもなります。

 

一人一人が二つと無い作品を作っています。末永く、大切に使ってほしいと思います。