上中の様子

東日本大震災から10年、校長から

本日は、未曾有の被害をもたらした「東日本大震災」から10年の日です。

学校では半旗を掲げ、朝の放送で、校長が全校生徒に話をしました。

  

 

◇ 校長の生徒への話(概略)

「今日、3月11日は、東日本大震災発生より10年となりました。いわき市でも、多くの人が亡くなったり、建物などにもたくさんの被害があり、現在でも、市の内外で避難生活を続けている人たちもいます。

生徒の皆さんは、まだ幼かったこともあり、当時の記憶は「ものすごい大きな揺れがあり、家の人に抱きかかえられた・・」とか、「どこかへ避難した・・」といった程度かもしれません。

以前にも話しましたが、当時私は、市内の、すぐ前が海に面した学校に勤務していました。実は、大地震の数日前から余震があったのですが、地域の人も、「ここは今まで津波なんか来たことねぇからなぁ・・」と言っていましたが、実際は、あのような大津波が来て、大変な状況になりました。このことから感じたことは、「人生においては何が起こるかわからない。絶対に大丈夫だ!ということは無い」ということです。

このことは、自然災害に限ってみても、一昨年10月の台風19号と、それに続く大雨の被害、更には、10年前を思い出した先月13日夜の地震、また、今回の、誰も予想だにしなかった、新型コロナウイルス感染症も、人間社会を襲った災害と言えると思います。

そして、これからも、災害大国と呼ばれる日本では、様々な困難な状況が発生する可能性がありますが、生徒の皆さんに今朝伝えたいことは2つあります。

一つ目は、『万が一の事態に備え、普段から準備をしておく』ということです。

例をあげれば、私の家では、一昨年の台風により断水したため、水を買い置き・溜め置きしています。皆さんの家でも、何か備えをしていると思いますが、皆さん自身も家族に任せるだけでなく、自分で考え、できることを是非実行してほしいと思います。

そして、二つ目は、『どんな困難な状況であっても、命は絶対に粗末にしない。そして、夢や希望は捨ててはいけない』ということです。

10年前の生徒の中には、家族や家、モノを失い、本当に大変な状況にある生徒もいましたが、学校ではお互いに励まし合い、その時の環境に不平不満を言うこともなく、それぞれの夢や目標に向かって、精一杯努力していました。

これから先、皆さん自身にも、自然災害だけでなく、様々な辛く、苦しく、困難なことが起こると思います。

これは、生きていく上において、ある意味避けられないことでもあります。そして、そのような状況になったとき、おそらく、落ち込み、もがき、苦しむと思いますが、絶対、自分の身体に傷をつけてはならない。モノはなくなったとしても、自分の夢・希望までなくしてはいけない。

このことが、10年前の震災の経験から私が学んだことです。

 

◇ 地震発生時刻の14:46、全教職員が職員室で黙祷を捧げました。

 

〔いわき駅前大通りでは・・〕

本日より13日(日)まで、「いわき光のさくらまつり 復興祈念点灯」が行われています。これは、3月11日のあの日を忘れることのないよう、心を一つにし、浜通りの復興への希望を込めて点灯するもので、鮮やかなイルミネーションを見て、改めて復興への願いを強く持ちました。