高久小学校 日記

先人の思い…

 このところ高久地区を支えてこられた方々の訃報が相次ぎ、何度か葬儀に参列させていただきました。

「人は生まれ、人は逝く」・・・それが自然の摂理ではありますが、人生の最期に立ち会わせていただき、その生涯に想いを馳せると、一人の命は、たくさんの人に支えられ、たくさんの人を支えていることを実感します。

 そんな中、ある方の告別式での言葉に、強く胸を打たれました。その方は、軍人として戦争にも行かれ、その後、高久地区の発展のために大変なご苦労をされた方でした。その方が、晩年、ご家族にこう話されていたそうです。

「こんなに いい世の中だ…。一日でも長く生きる。」

 焼け跡の灰の中から立ち上がり、急速な戦後復興を遂げた我が国の偉大な先人たち…。ヨーロッパが200年かかった近代化を、わずか40年で成し遂げた日本の復興は、世界史上の奇跡といわれています。そんな幾多の苦難を乗り越え、平和で豊かな日本を築いてくださった方の言葉込められた思いを推察すると、万感 胸に迫るものがあります。

 激動の時代を駆け抜けてこられた方々のご冥福を心からお祈りするとともに、高久地区の礎を築いてくださった先人たちの思いをしっかと受け止め、命の尊さや平和のありがたさを、子供たちに伝えていくことを胸に誓い、会場を後にしました。